10月25日~11月5日の期間中、台北の各地で「ONE ASIA 2014 in Taipei」が開催されます。
【舞台芸術部門】アーティストの紹介
スンピル・ヤン ダエグム(竹笛) 韓国
伴奏 ジェーソン・シン、グゥオンハ・リウ
ス ンピル・ヤンは韓国のダエグに生まれる。若い頃から韓国の伝統音楽に興味を持ち、そしてダエグムと呼ばれる竹笛を学ぶに到る。彼はヨンナム大学での修士号 を得、ダエグのケイミョン大学にて博士号を得る。彼はまた無形文化財第45の修養過程を終了している。彼は音楽のジャンルの垣根を越えるための研鑽に日々 励んでいる。
ウー・シンフェイ 南管音楽 台湾
ウー・シンフェイは台湾の歌手でありま た語り部でもある。漢時代の歌唱方法である 河洛雅言と南管の伝統を受け継ぐ。彼女はその生い立ちの中で、現代社会の中で薄れつつある、で語り部と、詩の伝統の修養に多くの時間を費やしている。現在 彼女は古代の言語と詩的な表現の再解釈を取り込み、音楽と映像を会わせた創造的な表現の方法を模索している。近年は海外からの奨学金を得、アジア各地での 公演も行っている。
吉村桂充 上方舞 日本
上方舞の師範である吉村桂充は、舞い方でありまた振り付け師、そして演出家で もある。上方舞は江戸時代に始まり、能や歌舞伎の要素を取り込み、大衆に親しまれた舞いの形式の一つである。吉村は上方舞に限らず様々な伝統芸能にも携わ り、また武道や書道、また茶道やヨーガも嗜む。
ウー・イーファン
風之舞形舞團 現代舞踊 台湾
ウー・イーファンはミッキー・ミと共に風之舞形舞團の創設しました。ウーは世界的に有名な台湾の雲門舞集の主要ダンサーで創設メンバーの一人でもあった。40才の時点でダンスと様々なジャンルの芸術を融 合するために、非営利団体・風之舞形舞團を設立し、ダンスの精髄を日常空間へと繋げることに日々努力している。風之舞形舞團以前の活動である雲門舞集では世界 各国において公演またプレゼンテーションを行なった。
ラクシュマンダス・バウル/Lakshmandas BAUL バウル・ミュージック インド
ラク シュマン・ダス・バウルは著名なバウルマスターまた作曲家でもある、シュダー・ゴーサイの弟子であり、養子でもある。 彼はその卓越した歌声と力強いパ フォーマンスで世に知れることとなる。彼はドラムと、ドタラと呼ばれる弦楽器を携えそして同時にバウルを歌う。バウルとはインド・ベンガル地方の伝統で、 精神性の深い奥深き叡智を詩と音楽の形で近隣の村々へと渡り歩き語り継ぐ、修行者達のことを意味する。
グレース・ジタデリラ / Grace GITADELILA 現代舞踊 インド/オランダ
グレース は南インド・ポンディチェリーとオーロヴィルにて育ちました。カラクシェトラにてインド伝統舞踊バラタナティアムを学び、オランダにてクラシック・バレー とジャズダンスを学びました。また西アフリカへの長期の滞在ではダンスの起源に触れる重要な経験もしました。近年彼女は南インドの女性たちの継承するコラムという伝統的な幾何学模様の研究と彼女のダンスとの接点を見出すために多くの時間を費やしています。
小野雅子 / Masako ONO インド古典舞踊/ 現代舞踊
日本/インド
ビデオ・マッピング:力石友也
イ ンド政府公認のインド古典舞踊家ソロ・オディッシー(オリッシー)ダンサーとして活躍する日本人ダンサー小野雅子は、「世界が尊敬する日本人100人」の うちの一人として選ばれるなど、彼女の舞踊表現は世界的に注目されている。幼少からモダンダンス・クラシックバレエを学び、東京外国語大学外国語学部イン ド・パーキスターン学科卒業後、オディッシーダンスのため、単身インドへ留 学して18年。 世界レベルのインド舞踊家を育成輩出するヌリッティアグラムのダンサーとして活躍の後、2001年にソロデビュー。 インド、アメリカ、 日 本、香港、カナダ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、タイ、フランス、はじめ数々の公演で評価され、ワシントンのケネディーセンター、NYCのア ジア・ソサエティー、インドではINDIA・ INTERNATIONAL CENTREやHABITAT CENTREで安倍総理・小泉元総理主賓の公演に招聘され公演する。
ラシュミ・バット / Rashmi BHATT タブラ/パーカッション インド
インドに生まれる。ラシュミはダンス、演劇、そしてインドの音楽がよく浸透したポンディチェリーの街にて育った。 彼はインドの代表的な打楽器であるタブラをトルン・バナジーに学んだ。 ヨーロッパへの移住後は、 Krishna Bhatt,
S.SHANKAR, Debiprasad Ghosh, Pandit Chaurasia,Pandit Arvind Parikh, with Ostad Mohammad Eqbal
and Majid Darakhshani from Iran ect らと共に演奏する機会を得た。彼は現在までインドを始め、フランス、スイス、ドイツ、デンマーク、スウェーデンはじめ各ヨーロッパ主要都市またモロッコ、チュニジアでも演奏をしている。
杉浦 聡 / So Sugiura 三味線 日本
日本国東京に生まれる。 西洋音楽家の両親と日本 の伝統芸術家の親戚などに、幼少よりピアノ・バイオリンなどの西洋楽器とともに、箏・三味線・能楽・書道・陶芸などを学ぶ。 国立東京芸術大学音楽学部邦 楽(日本伝統音楽)科卒業後、歌手・三味線と箏の演奏家・作曲家として活躍し、現在は日本唯一の弓奏楽器である「胡弓」の代表的な演奏家である。武蔵野音 楽大学、国立埼玉大学教育学部講師。
【視覚芸術部門】北インド細密画展、 インド書道展とワークショップ
マハヴィーラ・スワミ インド
ラジャスタン出身のマハヴィーラ・スワミは今日のインドにおいて最も優秀な細密画家の一人に数え
られています。彼の精緻な配色、秀逸な筆の運びは彼のユニークな内的世界と、繊細な彼の外的世界をを表現して
います。彼は作品制作を通じて、伝統と現代には隙間など無いということ、そして芸術のみがそこに存在するということを証明しようとしています。彼の仕事は伝統は現在に於いても健在であることを示そうとしています。
ダルメシュ・ジャデジャ インド
ダルメシュ・ジャデジャは過去20年に渡り建築家であり、インドの書 道家として活動してきました。 彼の尊敬するタイポグラファーR.K. Joshiとの出会いにより、彼の精神的な道のりと、抽象的なインドの書法の繋がりの模索への方向付けられました。ダルメシュは英国スンダーランド大学の 最初のInternational Research Centre for Calligraphy
(IRCC)のアーティストインレジデンスに選出され、近年はベルギーの切手のプロジェクトに世界中の他の優秀な世界の書道家と共に 参加しました。
ニキール・アファレ インド
二キールはムンバイに生まれ育ち、 L. S. RahejaSchool of Applied Artsを卒業しました。そしてアーメダバードの名門校N.I.D.にて学んだ後にデリーに移り住みました。彼は現在プロのグラフィックデザイナーそし て、カリグラファーとしてデリーにて活躍しています。現在まで沢山の本の装丁に携わり、 カリグラフィーを用いた独特のデザインで人気を博しています。また、彼の作品群は Letters Art Review, USA in2010 と 2011に掲載されまた、Mocha ArtHouse
(2010), Arpana Caur Gallery (2010) と RussianCenter for Arts and Science (2011), ONE ASIA2012 in Delhiなどのグループ展に積極的に参加している。
各ワークショップとカンファレンス
アジアの舞台芸術のワークショップ(10/26-31)
ONE ASIA 2014 in Taipei参加のアーティスト達による6日間にわたるワークショップが国立台湾師範大学にて執り行なわれ、学生(無料)参加者はじめ一般参加者も受け付けています。
アジア国際舞台芸術会議(11/2)
ONE ASIA 2014 in Taipei参加のアーティスト達を招いたカンファレンス。 個々のプレゼンテーションをはじめプロの目から見た比較により多角的にアジアの舞台芸術の現在と未来につて考察する。
日本の茶道体験とワークショップ(10/26-28、31、11/1-2)
京都、東山に住み、35年間茶の湯の研鑽に励む茶道家、ビスゴー・宗園による茶道体験とワークショップ。 デンマーク出身、裏千家講師。
オープントーク「アジアの持続可能な建築の可能性について」
台湾のバン・ムー・タン・グループはまず建築デザイン部門が1997年に創設され、その後にエンジニア部門が設けられました。現在まで、建築設 計、ビジネス環境コンサルタント、ランドスケープ・デザインなどを幅広く手がけてきました。その「太陽に準じた建築」理念や風水を取入れた環境にやさしい 建築のアイデアを提供し、環境に配慮した建物の実現に取り組んでいます。
ダルメシュ・ジャデジャは建築、インテリアまたランドスケープデザインをはじめ、グラフィックデザインや建築用の陶器の制作にも携わっています。彼の仕 事は環境の条件に応じたエコ・フレンドリーで、持続可能な建築の実現を基本理念とし、総合的な環境を提供するため、アート、手工芸品を建築に取入れること も積極的に行なっています。
ONE ASIA projectについて
ONE ASIA project は、アジアの奥深き精神性、文化を世界へと発信するために2010年オーロヴィルにて発足しました。アジアの文化はその精神性の奥深さに依拠しそれは本来 私たち皆に備わっている、「すでにひとつである」という潜在的な認識に基づいており、アジアの芸術や文化はそれを根本とした知見に根ざしたものです。
「多 様性の調和 – Unity in Diversity」は表面的なルールを強制したところで実現するものではありません。その答えは私たちの内に見出されるものでなければないでしょう。多 の中に一を見出すという理解はまさにアジア文化の地下水脈であり、これこそがその文化、芸術の美の秘密なのではないでしょうか。しかし、私 たちの現行の社会は「個性の多様性」を祝福するのみで「調和」の理解を寧ろ「均一性」として理解しているようです。
アジアの国々での文化的な交流 はアジアに於いての新しく、大きな精神的また文化的な環境を創りあげ、それぞれの国々の創造性を刺激するものとなるでしょう。 残念なことに現代は殆どの国々は政治と経済の成長に身を捧げ、文化的破壊の時代、また失われたアイデンティティの時代と呼ばれています。文化の再興はこの 極端な状況に均衡をもたらすことでしょう。
インドの偉大な詩人、ヨーガ行者であるシュリー・オーロビンドは1947年8月15日、自身の生誕日に All India Radioに「5つの夢」を寄稿しました。その中で彼はアジアの和合はかならず世界の和合の実現へと貢献するであろうと述べています。20世紀の多くの先 達たちはこの混沌の時代においてアジアにおいての「和」を実現することに生涯を尽しました。ONE ASIA projectは彼ら先達の献身的努力に大いに感銘を受けています。
2010年以来、実に多くの音楽家や伝統舞踊家、詩人、視覚芸術家、茶人、武道家、スーフィー、禅僧、華道家たちがONE ASIA の名の下、アジア各国から集まり、そのイヴェントへ参加してきました。
私 たちは、今後更なるこの真の伝統といえる偉大な精神の保持者たちの集いの場を準備し、共演、共作の機会を設けてゆきたいと考えています。そして、 新たなる「 意識的な多様性」を生み出すことが出来れば幸いです。この私たちの知識や経験が、揺るぎない支えを必要としているこの混沌止むことなき現代社会がより明る く、より真実な方向へと向かうためへの貢献が出来れば無上の幸いです。
江里尚樹 – Jyoti Naoki Eri
ONE ASIA project 代表